第68回 写真道展 入賞作品・入選者発表

【総評】審査委員長 田嶋英夫

写真道展の審査会は2月27日、28日の2日間、道新本社で開かれました。今年から応募が1部門1人5点以内になり、作品数の減少が予想されましたが、レベルの高いものが増え、上位候補の審査には時間を要しました。
 今年の傾向として、人物に目を引く作品が多く見られました。コロナ禍の影響も感じられ、マスクがテーマの作品も多く、しかしながら笑顔やユーモラスを表現した作品もありました。第1部、第2部には地域に根ざしながら、額に汗して働く姿を捉えた作品が多かったことも今年の特徴です。審査員一同もこれらの感動的な人物作品に心和み、元気をいただきました。
 大賞作品は第3部「森、ひとしずく。」斎藤ますみ氏の作品に決定しました。コロナの影響で自宅近くで数千枚撮影した中での1枚です。発想の新鮮さ、視点の新しさ、技術力の確かさなどが評価されました。傑作は自宅周辺にも存在することを、私たちに改めて気づかせてくれました。
 第3部のネイチャーフォト全体に感じられたのが、現在までに発表されている作品の亜流が多いということです。高機能のカメラの効果もあり動感撮影は容易になりましたが、やはり自分なりの新鮮な視点を探して撮影する姿勢が大切になります。
 第2部の一席「匠」掛村一憲氏の作品は、改めて光と陰が大切である事を実感させます。暗闇から浮き上がる刀匠に誘導させて人物像の人生観までを深く考えさせる作品です。
 第1部の一席「あの夏の日」佐野ミヨ氏の作品は日常の一瞬をスナップした光景ですが、モノクロで表現したことで、より深く作品を読み解く結果となりました。子どもの表情や周りの情景も取り入れ、心和む作品が完成しました。
 第4部の最優秀「温もり」姉崎康佑氏の作品。顔を大胆にカットすることで主題の手の表情に視線が集中する。作者の非凡な才能が感じられる作品です。
 デジタル時代を迎えて作品制作は撮影技術、PC作業、プリントにもその傾向が表れます。自然界での色調を見直して頂きたい。スマホ画面での「いいね!」を否定しませんが、写真道展では特殊な場合を除きカラー表現には敏感です。
 入賞入選作品を紹介する作品展は道内最大の写真公募展です。「今を映す」作品を多くの方に鑑賞して頂きたいです。

【たじま・ひでお】
1947年日高管内新ひだか町生まれ。79年北海道写真協会入会。91年無審査会員奨励賞。93年から北海道写真協会審査会員。2019年から北海道写真協会副会長。これまで全国二科展、全日本写真展などに入賞。新ひだか町在住で、同町の写真サークル「写楽」主宰。

<審査員>
◇審査委員長 田嶋英夫
◇招待審査員 水本一義(写真家)
◇審査員 中野潤子、大崎和男、斉藤ただし、山下智、阿部悦子、中西勉、田中明子、吉仲功、小泉和子、香取征子、壬生賢哉、
     野勢英樹(北海道新聞社編集局写真部)
<作品名をクリックすると別窓で作品が見られます。Javaを有効にして、ポップアップウインドウを許可して下さい>
第1部(自由)
一席 文部科学大臣賞 佐野 ミヨ あの夏の日
二席 北海道知事賞 岩間 廣 幸福に
二席 北海道教育委員会教育長賞 加藤 みちよ 今なお現役
二席 北海道新聞社賞 北 宏保 感染防止
二席 道新文化センター賞 太田 秀樹 仕事帰り
三席   井関 一 春の兆し
三席   伊藤 俊一 付いておいで
三席   岩間 敦子 幾年越えて・満願の笑み
三席   浦崎 毅子 ごきげん
三席   大崎 祐美子 番屋の主
三席   河原 典子 笑顔のお刈り娘
三席   鈴木 佳夫 大慈大悲
(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)
第2部(観光・産業)
一席 国土交通大臣賞 掛村 一憲
二席 札幌市長賞 増井 典子 遠い記憶
二席 ニトリ賞 見野 則幸 龍安寺の石庭?
三席   小林 セイ 雪の運河
三席   福嶋 美好 私の仕事
三席   安田 敏彦 祈り
(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)
第3部(ネイチャーフォト)
一席 写真道展大賞・環境大臣賞 齋藤 ますみ 森、ひとしずく。
二席 北海道写真協会賞 浦崎 毅子 晩秋の煌
二席 道新文化事業社賞 梅澤 勇二 山の目覚め
二席 北海道新聞野生生物基金賞 鈴木 佳夫 初氷
三席   見野 則幸 雅の舞
三席   津田 実 清流の女神
三席   仲島 静夫 行く秋
三席   安田 敏彦 夕映えの導き
(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)
第4部(学生の部)
最優秀賞 姉﨑 康佑 温もり
優秀賞 小田 柚々綺 未来
優秀賞 木村 真唯 覗きeye
優秀賞 下田 奈々 ヒカリ
優秀賞 中田 美由 細隙
優秀賞 渡辺 羽瑠 乞い心
(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)

<巡回展>

・岩見沢市民会館 5/28-30  ・三笠市民会館 8/7-9
・室蘭市民美術館 6/3-6 ・市立小樽美術館 8/13-15
・苫小牧市文化交流センター 6/10-13 ・旭川デザインギャラリー 8/20-23
・羽幌町立中央公民館 6/16-20 ・根室市総合文化会館 9/10-13
・名寄市民文化センター 6/24-29 ・北網圏北見文化センター 9/22-26
・釧路市生涯学習センター 7/14-18 ・函館市芸術ホールギャラリー 11/25-28
・別海町中央公民館 7/29-8/1 ・網走市立美術館 12/25-1/23